好きになった人は、みんなのアイドルで 2

あ、悠太郎くんだ。
私が気付くよりも早く悠太郎くんが手を振る。
大きく手を振り返すのも、もう恥ずかしくない。

「紬ちゃん、ただいま」
「おかえり、悠太郎くん」
「あー、抱き締めたいしキスもしたいけど、人前ですんなって碧に怒られたからなあ」
「そうだよ、家まで我慢して」

今日は私の家。
悠太郎くんが日本にいる時は、どっちかの家で過ごすのがいつの間にか当たり前になっていた。

ーー
玄関に入るとすぐに抱き締められる。
「あー、帰ってきたって感じする」
「なにそれ」
軽く答えたけど、本当はとても嬉しかった。
なんか、私が悠太郎くんの帰る場所みたいで。

「唐揚げ作れないよ、離して」
振り向くとキスされる。
苦しくて胸を叩くと、少し息継ぎをしてまたすぐキスされる。

「やめて、くるしい」
唇が離れた瞬間を見計らって言うと
「……ごめん、やめない」
すぐにまたキスされる。

……今日、どうしたの。なんかあった?

キスの嵐が止んだ後、また強く抱きしめられる。
「……会いたかった」
何かあったのかもしれないけど、話してくるまで聞かない。
「うん、私も会いたかった」

「唐揚げ食べる?」
「食べる。めっちゃ食べる」
良かった、いつもの悠太郎くんだ。

「じゃあ、支度するから休んでてくださいっ」
「はーい」

とびっきり美味しい唐揚げ作るから。待ってて。