好きになった人は、みんなのアイドルで 2

ーー悠太郎サイド

玄関のドアが閉まると同時に紬ちゃんが後ろから抱きついてくる。
……いつもはそんなことしないのに。

「なにー?靴脱げないよ」
顔が見えないのを良いことに文句を言ってみるけれど、めっちゃ嬉しい。

「もう少しだけ。このまま。」
紬ちゃんの小さな手にぎゅっと力がこもるから、そっと撫でる。
紬ちゃんのこの行動は、きっと不安の現れなんだと思う。
……ごめん、不安にさせて。大好きだよ、紬ちゃん。

ーー
お風呂から上がった紬ちゃんが、俺のスウェットを着て出てくる。
「あはは、おっきいね」
……え、俺の服着た紬ちゃんって、こんな破壊力あんの。
俺、今上手く笑えてた?にやけたキモイ顔になってなかった?

袖をまくってあげる。
守りたい、とかそういうのは男のエゴだと思ってたけど、
思ったより小さくて華奢なこの子を、俺の手で守りたい、なんて思ってしまう。

「おいで」
紬ちゃんの髪を乾かしてあげる。
毎日、これやりたい。せめて日本にいる間だけでも。

「ねえ紬ちゃん、一緒に住もうよ」
思わず声が漏れてしまう。

「え?なに?」
紬ちゃんには聞こえてなかったみたい。

……俺、何言ってんだろ。
紬ちゃんと、1秒でも長く一緒にいたかった。