好きになった人は、みんなのアイドルで 2

ーー悠太郎サイド

紬ちゃんがバイトに出るのと一緒に、紬ちゃんの家を出る。
「また後で、迎えに行くね」
「うん、また後でね」

紬ちゃんが電車に乗るのを見送ってから、自分の家に向かう。

……紬ちゃん、泣いてたな。
明るく振舞っていたけれど、結構しんどかったんだろう。
紬ちゃんは、一人で抱え込むから。

……また、あの時みたいに倒れたら。

目の前で崩れ落ちる紬ちゃんを思い出す。
あんな思い、俺がもうしたくない。

昨日はごはんもちゃんと食べていた。
顔色も、悪くなかった。
……大丈夫。

俺と付き合ってることは、紬ちゃんを苦しめているんだろうか。
もしかして、きっぱり別れた方が、紬ちゃんのためなんだろうか。

……できない。
俺はもう、紬ちゃんがいないとダメだよ。

紬ちゃんも、アイドルとしてのデビューも、
手に入れたいと思うのは、欲張りだろうか。