好きになった人は、みんなのアイドルで 2

ケーキを食べ終わって、少しくつろぐ。

「見てもいい?」
本棚を指さす。
「いいよ」

いくつか本が並んでて、
これはK-POPの、CDかな?

「これは俺が出た番組からデビューしたグループのCD。REOくんがサイン入れてくれたの」
「ほんとだ、サイン入ってる!」
「これは俺が好きな映画、あとお菓子のレシピ本」
悠太郎くんが本棚を説明してくれる。

ふと横を見ると、悠太郎くんの顔がすぐ近くにあった。
「あ……ごめん」
つい赤くなってしまう。

「紬ちゃん、ごめん……キスしていい?」
一瞬、固まってしまう。

心臓の音がうるさい。
こんなに近い距離で、悠太郎くんの顔を見るなんて初めてで。

「……いいよ」

ゆっくり悠太郎くんが近づいてきて、そっと唇に触れた。

時が止まる。
何も考えられなくなる。

永遠のような一瞬の後、またそっと唇が離れる。

唇が離れても、まだ距離は近いまま。

「……ごめん、我慢できなかった」
照れたみたいに笑う悠太郎くん。
「ううん、嬉しかった」
それ以上の言葉が見つからなかった。

顔を見合せて、少し笑った。
さっきまでのモヤモヤは、少し遠くに行った気がした。