好きになった人は、みんなのアイドルで 2

「今度は、俺の家来る?」
「……え?」
少し、考え事をしていた。
今、俺の家に来る?って言った?

「こないだ、紬ちゃんの家、行ったから」
「うん、行きたい」
悠太郎くんの家、行きたい。楽しみ。

ーー
「悠太郎くん」
やっぱり悠太郎くんは先に来て待っててくれる。
「行こっか」
「悠太郎くんの家、楽しみ」

不意に手を握られる。
「どしたの、まだ敷地内だよ、恥ずかしい」
少し手を引っ張ってみるけど、握り直される。
今日はどうしたの?……でも、嬉しい。

ーー
悠太郎くんの家、緊張する。
「……どうぞ」
「お邪魔します」

あ、悠太郎くんの匂い。落ち着く。
シンプルなインテリア。部屋もちゃんと片付いてる。

「なんか、悠太郎くんの部屋だね」って言ったら
「どういうこと?」って笑ってた。

「お腹空いてる?ケーキ、作ったんだけど」
え、うそ、ケーキ?悠太郎くん、ケーキも作れるんだ。
「わ、悠太郎くんのケーキ?食べたい!」
「美味しいといいんだけど……」
不安そうな顔をするから
「大丈夫だよ、美味しい」
って食べてないのに答えちゃう。

小さなケーキを持ってきてくれる。
「わあっ」
かわいい。ケーキ屋さんみたい。すごい。かわいい。

「すごい、これ作ったの?かわいい。ケーキ屋さんみたい」
「……紬ちゃんに喜んでほしくて、頑張った」
「すごい、嬉しい。写真撮っていい?」
「……いいよ、ちょっと恥ずかしいけど」

かわいい、こんなかわいいケーキを私のために作ってくれたことが嬉しい。

「ね、食べていい?」
「どうぞ」

「……美味しい」
自然と笑顔になる。
最近のモヤモヤが、全部ほどけていく。

「美味しかった。ありがとう。」
「またいつでも作るよ」
「ほんと?楽しみ」

私がちょっと落ち込んでたこと、気付いてたのかな。
美桜ちゃんのこと、気にしすぎていたのかもしれない。

ケーキの甘さがそのまま悠太郎くんの優しさみたいで、嬉しかった。