好きになった人は、みんなのアイドルで 2

ーー悠太郎サイド

……できた。紬ちゃん、喜んでくれるかな。
小さな苺のショートケーキ。
紬ちゃんは甘いものが好きだから、クリームも少し甘めにした。
可愛くできた、と思う。

時計を見る。
……やべっ、家出なきゃ。
ケーキ作りに夢中になってた。

ーー
「悠太郎くん」
紬ちゃんが駆け寄ってくる。
「紬ちゃん、行こっか」

家に来る?って自分で言ったのに、緊張がやばい。
昨日片付けて掃除機もかけたけど、大丈夫かな。

「悠太郎くんの家、楽しみ」
笑って見せる紬ちゃんの手を取る。

「どしたの、まだ敷地内だよ、恥ずかしい」
と言う紬ちゃんの声を無視して手を繋ぐ。
紬ちゃん、どこにも行かないで。
俺の隣でずっと笑ってて。

「俺の部屋、紬ちゃん家みたいに綺麗じゃないけど」
「大丈夫だよ、分かんないけど」
「分かんないのかよ」
「だってまだ行ってないもん」

喋ってると家に着く。
「……どうぞ」
「お邪魔します」

玄関に並ぶ紬ちゃんの小さな靴。
それだけで、ドキドキが止まらなかった。