好きになった人は、みんなのアイドルで 2

今日はパン研の集まり。
美桜ちゃんに会うのが、気まずい。

私も倒れたりしちゃったから、悠太郎くんは美桜ちゃんに言ってくれたんだと思う。
でも、美桜ちゃんは、どんな気持ちだっただろう。

「お疲れ様でーす」
あ、美桜ちゃん来てない。良かった。

先輩たちと少し喋っていると、美桜ちゃんが来る。
「すみません、遅くなりましたー!」

目が合う。
けど、すぐに逸らされる。

いつものとおりパンを囲んでワイワイ話していると、
美桜ちゃんが近くに来る。
「あ、美桜ちゃん、おつかれ」

「……付き合ったんでしょ。……おめでと。」
「……え?」
(そんなに私たち、分かりやすかったかな)

「見てれば分かるから」
吐き捨てるような口調とは裏腹に、表情は優しかった。

「うん……ありがと。付き合った」

すぐに別の先輩に話し掛けに行く美桜ちゃん。
見てれば分かるって、悠太郎くんのことだよね。
美桜ちゃんは、ずっと……
私より、ずっと前から、悠太郎くんのことを見ていた。
その時間の長さは、勝てない。

せめて、美桜ちゃんに恥ずかしくないような、彼女でいたいと思った。