好きになった人は、みんなのアイドルで 2

年末年始休暇も終わり、授業が始まる。

学食に入ると、向こうに見慣れた金髪が見える。

「あっ!悠太郎くんっ!」
走って近づく。
今までなら、こんな風には近付けなかった。
付き合ったことで少し気が大きくなってる私がいる。

「あ、紬ちゃん」
ふふっと悠太郎くんが笑って、手が近づいてくる。
(な、なに……?)
(え、なになに……こんな公衆の面前で……!)

「葉っぱ。頭についてた。どこから来たの」
葉っぱを見せて悠太郎くんが笑う。
「え、いつからついてたんだろう。恥ずかしい」
顔を見合せて笑う。

「ごはん、一緒に食べる?今日俺、一人なんだ」
「え、私も今日栞いなくて一人」
「じゃあ一緒に食べよ」
「それは……、目立つよ」

「いいじゃん」
とりあえず一緒に列に並ぶ。
列に並びながら喋ってるうちに、人の目を気にしていたことを忘れてしまう。

「どうせ席混んでるし、一緒に座ろ」
悠太郎くんと向かい合って学食でご飯を食べる。

「……なんか、恥ずかしいんだけど」
「いいじゃん、付き合ってるんだし」
「またなんか言われたら、嫌なんだけど」
「大丈夫、美桜ちゃんには言っといたから」
「えっ、なんて言ったの?」
「俺の好きな子いじめないでね、って」

それは……
ほっとしたのと同時に、胸が痛んだ。
美桜ちゃんも、ただ悠太郎くんのことを好きなだけだから。

「うん、ありがと」
次に美桜ちゃんに会ったら、美桜ちゃんはどんな顔をするだろうか。
美桜ちゃんに会うのが、少しだけ怖い。