好きになった人は、みんなのアイドルで 2

「人をダメにするソファあるよ、どうぞ」
「お、じゃあダメになろ」
……ダメになるんだ。かわいい。

お茶を持っていくと、棚に飾っていた編みぐるみを悠太郎くんが指さす。
「ねえ、これかわいい。編んだの?」
「うん、編んだ」
「じゃあ、これも?……もしかしてこれも?」
ティッシュカバーと、ベッドカバーを指さす。
「うん、それも編んだ」
「……天才」
「褒めすぎだよ、よく見たら荒だらけだよ」

話しながら、悠太郎くんにあげようと思って実家で編んだものを思い出す。
「あ、そうだ、あげる」
「……ひよこ?」
小さなひよこの編みぐるみ。
「うん、悠太郎くん、ひよこプリンスなんでしょ?」
「……まじで、俺のこと調べるのやめて」
恥ずかしそうにしているけど、「かわいい」ってひよこを眺めている。

「ありがと」
「うん、今度はセーターとか編むね」
「まじ?編めるの?」
「編めるよ、時間かかるから今すぐは無理だけど」
「え、やばい、楽しみ」
「だから、どんな色が好きとか教えて?」
「……紬ちゃんが編んでくれたらどんなのでも着る」
「じゃあ、真ん中にひよこ編みこもうかな」
「ごめん、それは嫌かも」

本当に楽しい。
いつの間にか、悠太郎くんといる時の私が、いちばん好きな私になっていた。