好きになった人は、みんなのアイドルで 2

ーー悠太郎サイド

(……紬ちゃんも、実家着いた頃かな)
LINEを送ろうとしてやめる。
少しトーク画面を遡る。

家族とも喋りたいだろうし、地元の友達もいるだろうし、
今は邪魔しない方がいいよな。
LINEの代わりに、紬ちゃんとのツーショットを眺める。

「え、悠太郎彼女できたの」
「後ろから覗くなよ」
姉ちゃんがにやにやしてる。

隣に座ってきて、
「ねえ、彼女の写真もっと見せてよ」って言ってくる。
「やだよ、これだけ」
水族館でのツーショットを見せると
「こんな顔の悠太郎見たことないよ、めっちゃ彼女のこと好きじゃん」
って笑われる。

「……好きだよ!……もうこの話終わり!」
って話を終わらせようとすると
「悠太郎、俺は彼女作らないんだって言ってたじゃん」
「気が変わったの?」
と真面目な顔をする姉ちゃん。

「うん……めっちゃ好きになっちゃったから」
自分で言って照れる。何言ってんだ俺。

「そっか。めっちゃいいじゃん。」
「でも、彼女もさ……大丈夫なの?悠太郎、アイドルになるんだし」

「うん、ちゃんと話した」
「……しんどい思いも、もうさせちゃった。俺のせいで」
「でも、もっとしんどい思い、させるかもしれないよな」

「これからたくさん話して、ちゃんと乗り越えていけばいいんだよ」
「そうしてくれる彼女なら、だけど」

「多分、それは大丈夫。」
「分かんないけど、紬ちゃんなら大丈夫な気がする」

「ふーん、彼女、つむぎちゃんって言うんだ」
「名前かわいい」

「え、あ、うん。名前だけじゃなく、全部かわいい」

「弟の惚気聞くとは思わなかったわ」
「ま、頑張りなさいよ」
「あと、そのうち会いたい」

「やだよ、まだ付き合ったばっかりだし」
「いいじゃん、弟の彼女と仲良くなるの夢なんだけど」

……紬ちゃんと姉ちゃんが会う?
想像したら、照れくさかった。
でも、紬ちゃんならきっと、姉ちゃんともすぐ仲良くなるんだろうなと思った。
……紬ちゃんに、早く会いたい。