全部奪われた私を拾ったのは極道でした

 はずなのに――

柚葉:「……なんで」

 小さく呟く

柚葉:「怖いのに……逃げたいのに……。
    ……ここ、少しだけ安心する」

 その理由は、分からなかった

 しばらくして、襖が開く

要:「ほら」

 差し出されたのは、温かい食事

柚葉:「……いいんですか」

要:「食え」

 それだけ

 命令みたいな言い方なのに、どこか優しい

 柚葉は、箸を手に取る

 震える手で、一口

柚葉:「……おいしい」

 思わず、涙がこぼれた

柚葉:「あれ………なんで…………」

要:「……泣きながら食うな」

柚葉:「すみません……」

要:「謝るな」