全部奪われた私を拾ったのは極道でした

静かに言う

要は少しだけ見つめて――

要「……分かった、ただし」

柚葉「はい」

要「無茶はすんな」

柚葉「はい」

外へ出る

夕焼けの中

莉愛が立っていた

莉愛「やっと出てきた」

柚葉「莉愛」

莉愛「迎えに来てあげたよ」

柚葉「帰らない」

即答だった

莉愛「……は?」

柚葉「もう、あの家には戻らない」

莉愛「何それ、お姉ちゃんのくせに」

柚葉「……違う」

莉愛「は?」

柚葉「私は、もう“お姉ちゃんだから”で生きない」