全部奪われた私を拾ったのは極道でした

柚葉「……ありません」

悠真「そうですか」

それだけ言って、周囲を確認する

その時――

要「無事か」

柚葉「……っ」

振り向く

要さんが立っていた

柚葉「……はい」

要さんはゆっくり近づいてくる

柚葉の前で止まる

要「怖かったか」

柚葉「……少しだけ」

本当は違う

でも――

要「……そうか」

短く頷く

要「もう大丈夫だ」

その一言で、張り詰めていたものが切れる

柚葉「……っ」