全部奪われた私を拾ったのは極道でした

柚葉:「……っ」

 顔を上げる

 黒いスーツの男

 鋭い目

 ――怖い

要(かなめ):「死にたいみたいな顔してるな」

 静かに言い切る

要:「けどな」

 一歩近づく

要:「まだ死ぬな」

 その声は、思ったより優しかった

要:「……立てるか」

 差し出された手

柚葉:「……」

 迷う

 でも――

 ゆっくり、その手に触れる

柚葉:「……あったかい」

要:「行くぞ」

柚葉:「え……どこに……」