全部奪われた私を拾ったのは極道でした



いつもより少しだけ、空気が重い

柚葉「……」

昨日のことが、頭から離れない

莉愛の声。あの視線

思い出すだけで、体が強張る

襖が開く音

要「起きてるか」

柚葉「……はい」

要さんが部屋に入ってくる

変わらない表情

でも――どこか、昨日より近く感じる

要「体調は」

柚葉「大丈夫、です」

要「無理はするな」

柚葉「……はい」

少しの沈黙

柚葉「……あの」

要「なんだ」

柚葉「昨日、ありがとうございました」