全部奪われた私を拾ったのは極道でした

笑っていた顔が、一瞬だけ歪む

莉愛「ねぇ、邪魔しないでくれる?
   その人、戻ってもらわないと困るの」

要「本人の意思は」

莉愛「関係ないよ」

即答

莉愛「だって、お姉ちゃんだもん、
   私の言うこと聞くに決まってるでしょ?」

要「……そうか」

一歩、前に出る

要「なら、余計に無理だな」

莉愛「……は?」

要「ここにいるのは、あいつが選んだ」

莉愛「……選んだ?」

要「ああ」

莉愛「そんなわけないじゃん、
   お姉ちゃんにそんな意思あるわけ――」

要「ある」

被せるように言う

要「少なくとも、今はな」

莉愛「……」

空気が張り詰める

莉愛「……ムカつく」