全部奪われた私を拾ったのは極道でした

 くすくすと笑う

 その顔は、昔と変わらない

 ――全部、奪っていく

 気づけば走っていた

 どこへ向かうかも分からないまま

柚葉:「……っ、はぁ……」

 息が苦しい

 でも止まれない

柚葉:「なんで………、
   なんで、私ばっかり……」

 家でも、学校でも

 全部、莉愛が持っていく

柚葉:「……もう、いいや」

 足が止まる

 知らない道

 夕暮れが、滲んで見える

柚葉:「疲れた……」

 その場に座り込む

柚葉:「……消えちゃいたい」

「そんな顔で、ここに座るな」

 低い声が落ちる