全部奪われた私を拾ったのは極道でした



廊下を歩く足音が、少しだけ増えていた

昨日よりも、人の気配が近い

柚葉「……」

少し緊張しながら歩いていると――

隼人「お、いたいた」

柚葉「……っ」

声をかけられて振り返る

見たことのない男が立っていた

隼人「そんな警戒すんなって。
   俺、隼人。まぁ一応、要さんの付き人みたいなもん」

柚葉「……柚葉、です」

隼人「知ってる」

軽く笑う

隼人「要さんが連れてきた子だろ?」

柚葉「……はい」

隼人「大丈夫大丈夫、取って食ったりしねぇから」

柚葉「……」

少しだけ、肩の力が抜ける

隼人「ほら、もう一人いるから」

その言葉と同時に