全部奪われた私を拾ったのは極道でした

 その隣にいるのは――

柚葉:「……え?」

 彼と、妹の莉愛(りあ)

 楽しそうに笑い合っている

莉愛:「あ、柚葉、
   ごめんね?言うの忘れてた」

 軽い声。悪びれる様子もない

莉愛:「今日から、この人〜、私の彼氏なの」

 ――理解が追いつかない

柚葉:「……は?」 

 やっと出た声は、震えていた

莉愛:「だってさぁ〜、
   お姉ちゃんより、私の方が良いって言うから」

 視線が、彼へ向く

 否定してくれると思った

 でも――

元彼:「……悪い」

 それだけだった

 目も合わせない

 それで、終わり

 胸の奥が、崩れる

莉愛:「いいよね、お姉ちゃんは。
   何でも持ってるくせに、すぐ譲ってくれるんだもん」