全部奪われた私を拾ったのは極道でした



静かな空気の中で、柚葉は目を覚ました

少しだけ、体が軽い

柚葉「……あったかい」

布団の中の温もりに、小さく呟く

家にいた時は、
こんな風に安心して眠れたことなんてなかった

柚葉はゆっくりと起き上がる

少しだけ考えてから、部屋を出た

廊下を歩く

昨日よりも、少しだけ足取りが軽い

柚葉「……」

ふと、台所の前で足が止まる

中には誰もいない

柚葉「……少しくらいなら」

小さく呟いて、中に入る

手を洗って、周りを見る

材料も、道具も揃っている

柚葉「……朝ごはん、作ろうかな」

誰に言うでもなく、ぽつりと

包丁を手に取る