全部奪われた私を拾ったのは極道でした

要が部屋に入ってくる

相変わらず無表情

要:「どうだ」

柚葉:「え……?」

要:「ここ」

柚葉:「……怖いです」

正直に言う

柚葉:「でも……」

少しだけ言葉に迷って

柚葉:「安心、します」

要:「そうか」

それだけ

でも――

要:「なら、それでいい」

その一言で

柚葉の中に、確かに“何か”が生まれた

ここはまだ、知らない場所

怖い人たちのいる場所

それでも――

初めて、“居てもいい”と思える場所だった