全部奪われた私を拾ったのは極道でした



目が覚めた瞬間、ここがどこなのか分からなくて、
柚葉は一瞬だけ固まった

柚葉:「……あ」

思い出す

昨日のこと

要に拾われて、この場所に来たこと

静かな部屋

家とは違う

でも、嫌な感じはしない

むしろ――

柚葉:「……落ち着く」

ぽつりと呟いて、ゆっくり起き上がる

部屋の外に出ると、人の気配がした

廊下の先。数人の男たちが話している

組員A:「あの子、どうするんすかね」

組員B:「要さんが連れてきたんだろ?放っとくわけねぇだろ」

組員A:「でも、一般人でしょ」

組員B:「……だからこそだろ」

その言葉に、胸が少しだけざわつく

柚葉:「……」