Something Blue


「今日俺部活ないし一緒帰ろーぜ」

日直の仕事を済ませ、廊下に置きっぱなしにしていたカバンを回収すると、緋由が体を曲げて僕の視界に強制的に割り込んできた。

「いいけど、葉口くんチャリやろ」

「俺んちK駅方面やし大丈夫」

制服のズボンのポケットから自転車の鍵を取り出した緋由が、白い歯を見せてニッと笑う。

「っしゃー!」

緋由と横並びで、階段に向かおうとカバンを肩に掛け直した瞬間、ふと我に帰る。

「日誌教室に置きっぱや」

うちのクラスは、その日の日直が放課後に職員室まで日誌を持って行かないといけない。

「マジか」

「マジ。昇降口で待ってて」

緋由に手を振り、僕は静かな放課後の廊下に一歩踏み出した。