近くにいるための嘘

悠太郎くんが、女の子に囲まれている。

ミーハーな女の子たち。
あの時の、悠太郎くんの苦しみなんて、なにも知らないくせに。

嫉妬なのか、怒りなのか、なんなのか分からない気持ちが湧いて驚く。
……私は、私だけは、ちゃんと悠太郎くんを見てるから。
だから……。

ちょっと困ったような悠太郎くんの表情が見える。
……私が、助けなきゃ。

「悠太郎くんっ」
「次の授業、教室遠いよ」

「あっ、そうだった」
「ごめん、また今度ね」

女の子たちに手を振って、悠太郎くんが私の隣を歩く。
女の子たちの恨めしそうな視線が、痛いけど少し気持ち良い。

……だって、私は特別。
悠太郎くんの、特別だから。