近くにいるための嘘

「てか、美桜あざとい系なんだね」
莉子が笑って言う。

「……え?あざとい?」
あざといなんて、初めて言われた。

「推しの前で声高くて」
あ、多分それ、緊張で上ずってただけ。

「上目遣いで」
仕方ないじゃん。向こうは177cm。
20cm以上身長差あるんだよ?

「ポーカーフェイスかと思えば急に笑うし」
それは、表情筋が仕事しすぎたりしなさすぎたりしてた。

「でも、いいと思う」
「あざとい女の子、男子は好きだよ」

「……好き?」

「うん、あざとくてなんぼよ」

……あざとくてなんぼ。

「悠太郎くんも、あざとい子好きかな」
笑って聞いたら

「男子は皆あざとい子好きでしょ」
って笑われた。

分かった、あざとくなろう。