近くにいるための嘘

……え、YUTAROくん?
いや、まさか。

「新入生でしょ?そろそろ始まるよ、行こ」

声を掛けてきた先輩たちは残念そうに
「またね」「絶対俺らのサークル来てね」と去っていく。

「……あ、ありがとうございます」

え、なんで、なんでYUTAROくんがいるの?
きっと、よく似た男の子……
いや、何万回も見た私が、見間違えるわけがない。

「あ、ごめん。一緒に行くのは変だよね」
「じゃあまた」

YUTAROくんが駆け足で教室に向かう。

私はしばらくその場を動けなかった。

……え、どうしよう。
私、もしかして、推しと同じ大学。