近くにいるための嘘

「ね、東京早く住みたい」

アパートが決まってウキウキする。

渋谷のスクランブル交差点に行ってみたい。
富山には無いお店で買い物がしたい。
TikTokで見た美容院に行きたい。
インスタで見たスイーツを食べてみたい。

「ね、いつから住んでいい?」

「そんな寂しいこと言わないで」
「ギリギリまでこっちいてよ」

ママがつまんないこと言ってくる。

「やだよ、東京に早く慣れたい」
「私が田舎者だって馬鹿にされてもいいの?」

アパートの契約はしてきたから、いつでも引っ越せる。

「一人暮らしのお部屋、可愛くしたいし」
「お引越し早くしよ」
「ママしばらく泊まればいいじゃん」

「それもそうね」

今週末、パパの車で荷物を運んでもらうことになった。
早く、東京に住みたい。