近くにいるための嘘

明日は二次試験。
前泊するから、東京に向かう新幹線に乗っていた。

東京に近づくにつれて、緊張が襲ってくる。

「ママ、私、ほんとに明陵受かるのかな」

「美桜ちゃん、すごく頑張ってきたじゃない」
「自信持って」

「……不安になってきた」

手元のボロボロのノートを見る。
二次試験のために、何度も何度も見返した自分の苦手なところをまとめたノート。

お守り代わりに、表紙にはYUTAROくんの写真を貼り付けていた。

「……そうだよね、私、頑張ったよね」

YUTAROくんもきっと、今頃不安な時間を過ごしているはず。

……一緒だもん。大丈夫。

明日、同じ会場でYUTAROくんが試験を受けることを、美桜はまだ知らない。