本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

「まずは労基に相談に行けばいいはずです……!」

 慌てふためいていた社員皆が私の言葉でハッと我に返る。

「そ、そうか、労働基準監督署……!」

 冷静さを取り戻した社員達はスマホやパソコンで調べ始めたので、こっそり安堵の息を吐いた。

「碓水さん、よく知ってたね」

 佐山さんがタイムカードや給与明細などの書類を集めながら、感心したように言った。

「……たまたま最近観たドラマで知っただけですよ」

 普段ドラマは観ないのだけれど、原作が藍堂鷹司だったので観たのだ。観ている時はまさか自分に降りかかるなんて想像もしてなかったのに。

「必要な書類が揃ったからまず労基署に行こう」

 佐山さんの音頭で、私たちは労働基準監督署に行くことになった。