本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで


 やかんに水を入れて沸かす間に、コーヒーサーバーを探す。
 カウンターの隅にひとまとめに並べられていたコーヒーセットの中に、ガラス製のコーヒーサーバーがあったーーのだが。

「めちゃ大きい!」

 通常より一回り大きい、大容量サイズだ。
 眠気覚ましに沢山飲むからなんだろうけども……。

(こんな大量のコーヒーを空きっ腹に飲んだら、胃に良くなさそうだな……。あっそうだ)

 あることを思い付いた私は、食器棚から大きめの耐熱性マグカップを取り出した。

 小麦粉や調味料を収納してある棚からはホットケーキミックス・砂糖を、冷蔵庫から牛乳を取り出す。
 それぞれ量を計ってからマグカップの中で混ぜ合わせる。それから、ふんわりとラップを被せて電子レンジに入れて加熱ボタンを押した。

「よし、綺麗に膨らんでる」

 私が電子レンジから取り出したのは、マグカップ蒸しパン。
 小腹が空いた時によく作るのだ。
 竹串を刺して、中まで加熱されていることを確かめる。

「先生が食べなかったら、私が片付ければいいだけだしね」

 私はそれをコーヒーがたっぷり入ったガラスのサーバー、ミルクポット、シュガーポット、スプーン、コーヒーカップと一緒にワゴンに載せて、藍堂先生の書斎に向かった。