二人は口喧嘩を始めてしまった。
私はそれを聞きながら、胸につっかえる気持ちに意識を向けていた。
雪菜、拓哉って呼び捨て、してる。なんか、親しげだな・・・。だってほら、今してる喧嘩も幼馴染がやってるようなテンションの喧嘩なんだもん。私には到底無理なやつ。
・・・正直、やだな。
なんでかわかんないけど、めっちゃやだし、もやもやする。親友にこんなこと思いたくない。
そう思った私は、自分の考えを振り払うのと、雪菜たちのじゃれ合いを遮るために。
「はーい、私が3番。私はなるべく志村くんから丁寧にバトンをもらうようにするから。ほら、私たちってなんか息合いそうじゃない?私、なんかうまくいくような気がする。」
「うん、そうだね。」
志村くんが私に笑顔で答えてくれる。その笑顔に、心が少し動かされる。
雪菜は、今私たちのこと、どう思ってるんだろう。さっきの私みたいに思ってるのかな。
・・・それは誰にもわからない。
でも、今の私は、雪菜がそう思ってくれてたら良いな、って。
思ってしまう。
サイテーだよね。
嫌なやつになってるってわかるよ、流石に。雪菜にも申し訳ないよ。

