まさかきみがそうだったなんて、知らなかったんだよ。

「え?ああ、すみません!運転手さん、行ってくださって大丈夫ですよ!」

「本当ですか?お怪我はなかったですか?」

「全然大丈夫です!気になさらないでください!」

「ほんっとうにすみませんでした!恐縮ですが、これで失礼いたします!」

「はい!本日はありがとうございました。これもなにかの縁なので、またどこかで。」



私がそう言うと、女の人は安心したように去っていった。

ふう、ちょっとびっくりした。



「おい。」



ちょっと安心している私に、下からひくーい声。

ひっ。

いかにもギコギコギコという音がつきそうな動作で下を見ると、案の定。

助けていただいた広斗様が、こわーい顔をして私を見ていました。

わ、わ、忘れてたーーーーああああ!!!



「ひっ、すみません!めっちゃ忘れてました!」