まさかきみがそうだったなんて、知らなかったんだよ。




「え、えーと、私は助けてもらったんですか・・・?」

「・・・。」



はっ!柴山里奈、ぼーっとしてる暇じゃない!この方にお礼を言わないといけないでしょ!



「助けてくださり、ありがとうございました!もう2度とおあいする・・・」

「あのう、大丈夫でしたか・・・?」



タイミングよく(?)お礼を言っていたところで自転車の運転手さんが割り込んでくる。

優しそうな女の人なんだけど、ちょっとは空気読んでほしかったかも。

だってほら、私と彼の間の空気が、その、悪化しちゃったから・・・。

今にも私が消え去りそうな感じの空気感になっちゃったよ。



「全然大丈夫です!この方が助けてくださったので!ええと、誰だったかな・・・。」

「広斗。」

「そう!広斗くんが!うん?軽々とお呼びしてもいいのか?そもそも年上かもしれないし・・・。広斗さん?いや、広斗様?それとも・・・。」


あっという間に自分の世界に入っていった私を、冷めた目で見つめる彼と運転手さん。