そうだ、これが始まりだ。
「…じゃあ、俺次から後ろ向かないから。」
「えぇ!それは違うじゃん!」
なにが違うんだよ。忘れて俺が悪いっていうなら、もう後ろを向く必要はない。
「っていうか、そもそも授業中話しかけてこないでよ。」
「なんでー。」
なんでって…。え、なんで?!当たり前では?
「授業中は勉強したいです。何なら怒られたくないです。」
「…んー。」
何、んーって、悩むとこじゃないからね?わかったって即返してくれよ。俺の授業中の平穏返してくれよ。
「…。」
「わかったよぉ。」
「はい。」
彼女は渋々という感じにそう返事した。よし、勝った。よかった。これでもう怒られることはないだろう。
「でも翔くん、ちゃんと毎回なんだかんだ振り向いてくれるんだね。」
「…たしかに。」
まぁ、めんどくさかった、っていうのもあるけど、なんで怒られるの覚悟で毎回振り返ってたんだろう。
「律儀だね。」
律儀…とはまた何か違くないか?まぁ、でも。
「今後は絶対振り返らないから。」
「つまんなーい。授業中どうしよう。」
どうしようって…。
「いや、授業なんだから真剣に受けなよ。」
ほんと、わからないわ。
「えぇー。」
えぇーはこっちのセリフなんだけど?!どんだけ勉強嫌なんだよ。
「で、結局なんだったの?」
「え?あー!さあ、相棒くんの仕事だよ。来週の日曜日!空けておいてね!」
出たよ。来週の日曜日ね。はい。
「わかった。」
「よろしくー!」

