誘拐されたのは私が公園で遅くまで遊んでいた事も原因なのに、お母さんは自分を責め続けた。

8年前の事件の日から警察署で半年ぶりに
お母さんと再び会えた時、

お母さんは凄くやつれた姿で涙を流しながら
駆け寄り、細くなった腕と身体で私を力いっぱいに抱き締めた。

"ごめんね、詩、ごめんね…。
お母さんが働きになんか出るから…。
詩…詩…生きててくれて良かった…"

お母さんはしばらく私を抱き締めて離さなかった。私もお母さんに抱き締められて、久しぶりに
声を上げて泣いた記憶がある。

誘拐されてから、殺されるのが怖くて涙も声すらも出せなかったけど、その時は安心して…ちゃんと声を出して泣けた。