好きになった人は、みんなのアイドルで

ーー悠太郎サイド

「あれ、告白じゃね?」
蓮が窓の外を指さす。

学食から中庭が見える。
そこに、紬ちゃんと、……知らない男。

紬ちゃんが頭を下げる。
紬ちゃんの表情が見えない。
笑ってるのか、困ってるのか分からない。
(……まさか、OKとかしてないよな。)

何か喋って、男が立ち去る。
(いなくなったってことは、断ったんだよな)

はあーっと全身の力が抜ける。
(……よかった)

「紬ちゃん、絶対モテるよな。あんな可愛くて、パン上手で」
「あー、俺のサークルの奴も告ったらしいよ。まあ、振られたって言ってたけど」
「俺のサークルの奴もなんか気にしてたな。悠太郎と噂あった時に、ふたり付き合ってんの?って聞かれて」

(なにそれ。)
(……俺が迷ってる間に、他の男はもう紬ちゃんに)

「……悠太郎、まだ迷ってんの?」
痛い質問をされる。

怜央くんの言葉を思い出す。
俺は、本気で、紬ちゃんを好き。
本気で、好きだ。

「……本気で好きだったら、彼女、いてもいいかな」
「「いいだろ」」二人の声が被る。

「だって結婚とかしちゃえばもう祝福ムードになるじゃん」
「恋愛も応援してもらえる唯一無二のアイドルになれよ」

いや、それはちょっと話が……と思ったけど、
拓海と蓮は、アイドルの夢も、紬ちゃんとのことも、
応援してくれてるのが分かった。

「……俺、紬ちゃんに告白するよ」

「行ってこい!絶対OKだから!」
「なんなら今行け!」
拓海と蓮が、騒いでいる。

口にしたからには、ちゃんと進むことにした。