好きになった人は、みんなのアイドルで

「栞、おはよ」
「紬おはよ」
「ごめん、もう大丈夫。大丈夫になった、と思う」
「うん、分かった」

この辛かった1ヶ月弱、
栞は何も言わず(時には怒りながら)ただそばにいてくれた。
何も説明しなくても、
心境の変化があったことを分かってくれたのが嬉しかった。

「昨日、久々にご飯美味しかった」
「それは良かった」
「あと、よく眠れた」
「うん、それ聞けて安心した」
「ごめんね、ありがとう」
「ううん、大丈夫」
そのまま、栞がぎゅっと抱き締めてくれた。

変わらず視線は怖いし、笑い声は気になるけど、
栞も悠太郎くんもいるんだ。大丈夫。
苦しんでる間も、ずっと私のことを見ててくれた人がいる。

負けてばっかりじゃ、だめだよね。
「ねえ、栞、今日のお昼オムライス食べたい」
「あ、じゃあ三限サボって向かいのカフェ行こっか」
「賛成」