「顔色悪くない?最近体調悪そうだし、今日はもう上がってもいいよ」
夏帆先輩に声を掛けられる。
「いや、大丈夫です。最後までいます」
人の目が怖くなってから、あまりご飯を食べられていない。
眠れない日も増えた。
自分でも、弱った顔をしていると思う。
カランカラン。ドアが開く。
「いらっしゃいませー!」
「紬ちゃん、おつかれ」
悠太郎くんの心配そうな、困ったような表情を見るのはもう何度目だろう。
「うん、おつかれ」
小さく返して注文を聞く。
アイスカフェラテを渡す手が震える。
いつものように「ありがと」と悠太郎くんが受け取る。
ーー
返却口を片付けていると、グラスを持つ手が震える。
(あ、やばいかも)
立っているのが急にしんどくなる。
視界が徐々に狭まる。
ガシャン。膝から崩れ落ちる。
すぐに駆け寄ってきてくれたのは悠太郎くん。
「紬ちゃん、大丈夫?」
「……だいじょうぶ」
口では言ったものの立てない。世界が回っている。
「高橋さん、ここ片付けといて。紬ちゃん、行くよ」
夏帆先輩の声が耳元でする。
「あ、俺運びます」 悠太郎くんに抱き抱えられる。
更衣室のベンチに下ろされると、
「バイトはもういいから帰って。店長には言っとく。」と夏帆先輩。
「……すみません」と起き上がろうとすると
「いいから、もうちょっと休んでて」と押し戻される。
「送ってきます、心配なんで。でももう少し休ませてからでもいいですか」
悠太郎くんの声がする。
「もちろん。ここいていいよ。紬ちゃんのことよろしく。私は表戻るね」
夏帆先輩が戻っていく。
二人きりになる。
「そのままでいいから聞いて。……間違ってたら、ごめん」
優しく話し出す悠太郎くんの声が心地良い。
「ごめん、俺のせいだよね。美桜ちゃんのこと……聞いた、ごめん」
こんな時でも美桜ちゃんのことを悪く言い切らないのが優しくて、苦しい。
「俺のこと避けてたのも、それが理由だよね?」
小さく頷く。
「でも、こんな風になる前に、言ってほしかった。いや、いちばん俺に言いにくいよな、うん、ごめん」
上手く笑えないまま、また小さく頷いた。
言葉を選びながら話す悠太郎くんの気持ちが嬉しくて
「……ごめん、もう大丈夫。帰れると思う」と起き上がる。
何も解決してないけど、悠太郎くんの気持ちが嬉しかった。
まだ苦しいけど、少しだけ、息がしやすくなった気がした。
夏帆先輩に声を掛けられる。
「いや、大丈夫です。最後までいます」
人の目が怖くなってから、あまりご飯を食べられていない。
眠れない日も増えた。
自分でも、弱った顔をしていると思う。
カランカラン。ドアが開く。
「いらっしゃいませー!」
「紬ちゃん、おつかれ」
悠太郎くんの心配そうな、困ったような表情を見るのはもう何度目だろう。
「うん、おつかれ」
小さく返して注文を聞く。
アイスカフェラテを渡す手が震える。
いつものように「ありがと」と悠太郎くんが受け取る。
ーー
返却口を片付けていると、グラスを持つ手が震える。
(あ、やばいかも)
立っているのが急にしんどくなる。
視界が徐々に狭まる。
ガシャン。膝から崩れ落ちる。
すぐに駆け寄ってきてくれたのは悠太郎くん。
「紬ちゃん、大丈夫?」
「……だいじょうぶ」
口では言ったものの立てない。世界が回っている。
「高橋さん、ここ片付けといて。紬ちゃん、行くよ」
夏帆先輩の声が耳元でする。
「あ、俺運びます」 悠太郎くんに抱き抱えられる。
更衣室のベンチに下ろされると、
「バイトはもういいから帰って。店長には言っとく。」と夏帆先輩。
「……すみません」と起き上がろうとすると
「いいから、もうちょっと休んでて」と押し戻される。
「送ってきます、心配なんで。でももう少し休ませてからでもいいですか」
悠太郎くんの声がする。
「もちろん。ここいていいよ。紬ちゃんのことよろしく。私は表戻るね」
夏帆先輩が戻っていく。
二人きりになる。
「そのままでいいから聞いて。……間違ってたら、ごめん」
優しく話し出す悠太郎くんの声が心地良い。
「ごめん、俺のせいだよね。美桜ちゃんのこと……聞いた、ごめん」
こんな時でも美桜ちゃんのことを悪く言い切らないのが優しくて、苦しい。
「俺のこと避けてたのも、それが理由だよね?」
小さく頷く。
「でも、こんな風になる前に、言ってほしかった。いや、いちばん俺に言いにくいよな、うん、ごめん」
上手く笑えないまま、また小さく頷いた。
言葉を選びながら話す悠太郎くんの気持ちが嬉しくて
「……ごめん、もう大丈夫。帰れると思う」と起き上がる。
何も解決してないけど、悠太郎くんの気持ちが嬉しかった。
まだ苦しいけど、少しだけ、息がしやすくなった気がした。



