好きになった人は、みんなのアイドルで

朝、アラームが鳴る。
止めたはいいけど体が動かない。
ぼんやりと天井を眺める。

(大学、行かなくちゃ)

そう思うけど体が言うことを聞かない。
今日は悠太郎くんに会わないことを祈ってしまう。
なんで俺のこと避けるのって聞かれたら、何も答えられないから。

重い体で何とか支度をして大学に向かう。
「紬、大丈夫?顔色悪いよ」
栞に開口一番心配される。
「大丈夫、ちょっと寝不足。あとそろそろ生理かも」
誤魔化すと、それ以上は詮索してこない。助かる。

お昼を食べに学食に行くけど、食欲が無くて売店でヨーグルトだけ買う。
「ご飯、最近ろくに食べてないでしょ」
「ちょっと疲れてるだけ、大丈夫」
「大丈夫じゃないよ、ずっと元気無いし、何があったの?」
「なんもない。大丈夫。」
上手く栞にも話せない。というか話すエネルギーが無い。

今日はバイトが無いからまっすぐ帰る。
家に着いてすぐ横になる。
疲れているけれど、眠れるわけじゃない。

悠太郎くんとの楽しかった日々が、ずっと昔のことみたいに感じる。
(好きって、こんなにしんどかったっけ)
考えるのも億劫で、暮れていく空を見つめてた。