ーー悠太郎サイド
永遠のような1時間が過ぎて、やっと22時になる。
「お待たせ」
紬ちゃんはやはり元気が無い。
「バイトおつかれさま」
笑って見せるけど、紬ちゃんの笑顔は返ってこない。
やっぱり嫌われたんだ。
外に出て、小さく深呼吸をして口火を切る。
「あのさ、えっと、ごめん、俺、なんかしたんだよね?なんか嫌なこと。ごめん、考えたんだけど、分かんなくて、ほんとごめん」
(何が嫌だったって言われるんだろう)
覚悟して紬ちゃんの言葉を待つと
「違うの!」と大きな声。
「……違うの。悠太郎くんは、何も悪くなくて」
だんだん声が小さくなる。
言いたいことがあるのに上手く言えない時の紬ちゃんはこういう表情をする。
次の言葉が出てくるのを待つ。
「ごめん、大学行ったらやっぱり悠太郎くん人気者だなって。なんか、喋るの自信無くなっちゃって、えへへ、ごめん」
多分、無理して明るく振舞ってる。
でも、嫌われたんじゃなくて良かった。
「……なんだ、そんなこと、」
ついほっとして言いかけてやめた。
紬ちゃんがきゅっと唇を噛むのが見えた。
「ごめん、そんなことじゃないよね。でも良かった、俺、紬ちゃんに嫌われたかと思って」
「……嫌うわけないじゃん」
良かった。嫌われたんじゃなくて、良かった。
でも、きっと紬ちゃんは、何か俺のせいで嫌な思いをしたんだろう。
「俺、紬ちゃんの気持ち、考えられてなかったよね、ごめん」
「違うの、大丈夫なの、ごめん、私が悪くて」
「紬ちゃんと話すの楽しくて、ごめん、もう話し掛けない方がいい?」
もう話し掛けないで、迷惑だから話し掛けてこないで、って言われたら、どうしよう。
ずるい質問だと分かっていて聞く。
「……ううん。ごめん、話し掛けて……いいよ」
「良かったあ」
思わず間抜けな声が出た。多分、顔も間抜け。
でもそれくらい嬉しかった。
多分、紬ちゃんは同じ気持ちじゃないけど。
紬ちゃんに嫌われたのかもしれないと思って考えていた間、ずっと辛かった。
紬ちゃんのことで頭がいっぱいだった。
……好きな子に嫌われるって、こんなに辛いことだったのか。
紬ちゃんのこと、好きだよ。俺、嫌われたくない。
紬ちゃんの隣で、心の中で呟いた。
永遠のような1時間が過ぎて、やっと22時になる。
「お待たせ」
紬ちゃんはやはり元気が無い。
「バイトおつかれさま」
笑って見せるけど、紬ちゃんの笑顔は返ってこない。
やっぱり嫌われたんだ。
外に出て、小さく深呼吸をして口火を切る。
「あのさ、えっと、ごめん、俺、なんかしたんだよね?なんか嫌なこと。ごめん、考えたんだけど、分かんなくて、ほんとごめん」
(何が嫌だったって言われるんだろう)
覚悟して紬ちゃんの言葉を待つと
「違うの!」と大きな声。
「……違うの。悠太郎くんは、何も悪くなくて」
だんだん声が小さくなる。
言いたいことがあるのに上手く言えない時の紬ちゃんはこういう表情をする。
次の言葉が出てくるのを待つ。
「ごめん、大学行ったらやっぱり悠太郎くん人気者だなって。なんか、喋るの自信無くなっちゃって、えへへ、ごめん」
多分、無理して明るく振舞ってる。
でも、嫌われたんじゃなくて良かった。
「……なんだ、そんなこと、」
ついほっとして言いかけてやめた。
紬ちゃんがきゅっと唇を噛むのが見えた。
「ごめん、そんなことじゃないよね。でも良かった、俺、紬ちゃんに嫌われたかと思って」
「……嫌うわけないじゃん」
良かった。嫌われたんじゃなくて、良かった。
でも、きっと紬ちゃんは、何か俺のせいで嫌な思いをしたんだろう。
「俺、紬ちゃんの気持ち、考えられてなかったよね、ごめん」
「違うの、大丈夫なの、ごめん、私が悪くて」
「紬ちゃんと話すの楽しくて、ごめん、もう話し掛けない方がいい?」
もう話し掛けないで、迷惑だから話し掛けてこないで、って言われたら、どうしよう。
ずるい質問だと分かっていて聞く。
「……ううん。ごめん、話し掛けて……いいよ」
「良かったあ」
思わず間抜けな声が出た。多分、顔も間抜け。
でもそれくらい嬉しかった。
多分、紬ちゃんは同じ気持ちじゃないけど。
紬ちゃんに嫌われたのかもしれないと思って考えていた間、ずっと辛かった。
紬ちゃんのことで頭がいっぱいだった。
……好きな子に嫌われるって、こんなに辛いことだったのか。
紬ちゃんのこと、好きだよ。俺、嫌われたくない。
紬ちゃんの隣で、心の中で呟いた。



