「お待たせ」
帰り支度を済ませてスマホを見ている悠太郎くんに声をかける。
「バイトおつかれさま」
いつもの悠太郎くんの笑顔。
やっぱり直視できなくて、少し下を向いて「ありがと」と呟く。
外に出ると、悠太郎くんが話し出す。
「あのさ、えっと、ごめん、俺、なんかしたんだよね?なんか嫌なこと。ごめん、考えたんだけど、分かんなくて、ほんとごめん」
はっとする。そうだ、悠太郎くんはこういう人だ。
「違うの!」
つい大きな声が出る。
でも言葉が続かない。
「……違うの。悠太郎くんは、何も悪くなくて」
声が小さくなってしまう。
なかなか話し出せない私を、悠太郎くんは待ってくれている。
口を開いたら、言葉より先に涙が出そうで何も言えない。
顔を背けて大きく息を吸う。
「ごめん、大学行ったらやっぱり悠太郎くん人気者だなって。なんか、喋るの自信無くなっちゃって、えへへ、ごめん」
えへへ、とまた小さく笑う。ちゃんと明るく言えたかな。
「……なんだ、そんなこと、」
悠太郎くんがほっとした表情を見せる。
(そんなことじゃない)
(……私にとっては、全然そんなことじゃない)
唇をきゅっと噛み締める。
思い直したように悠太郎くんが話し出す。
「ごめん、そんなことじゃないよね。でも良かった、俺、紬ちゃんに嫌われたかと思って」
「……嫌うわけないじゃん」
(むしろ、好きで。)
「俺、紬ちゃんの気持ち、考えられてなかったよね、ごめん」
悠太郎くんが謝ってくる。
「違うの、大丈夫なの、ごめん、私が悪くて」
「紬ちゃんと話すの楽しくて、ごめん、もう話し掛けない方がいい?」
寂しそうな顔をする悠太郎くんに向かって
もう大学では話しかけないで、なんて言えない。
「……ううん。ごめん、話し掛けて……いいよ」
「良かったあ」
悠太郎くんが、安心した子供のように笑う。
笑顔につられて、張り詰めていた気持ちが少しほどける。
この優しい顔が好き。
……でも、優しいから言えない。
この笑顔が見られるなら、他の女の子に何を言われてもいい。
……なんて言えるほど、まだ強くはなれなかった。
帰り支度を済ませてスマホを見ている悠太郎くんに声をかける。
「バイトおつかれさま」
いつもの悠太郎くんの笑顔。
やっぱり直視できなくて、少し下を向いて「ありがと」と呟く。
外に出ると、悠太郎くんが話し出す。
「あのさ、えっと、ごめん、俺、なんかしたんだよね?なんか嫌なこと。ごめん、考えたんだけど、分かんなくて、ほんとごめん」
はっとする。そうだ、悠太郎くんはこういう人だ。
「違うの!」
つい大きな声が出る。
でも言葉が続かない。
「……違うの。悠太郎くんは、何も悪くなくて」
声が小さくなってしまう。
なかなか話し出せない私を、悠太郎くんは待ってくれている。
口を開いたら、言葉より先に涙が出そうで何も言えない。
顔を背けて大きく息を吸う。
「ごめん、大学行ったらやっぱり悠太郎くん人気者だなって。なんか、喋るの自信無くなっちゃって、えへへ、ごめん」
えへへ、とまた小さく笑う。ちゃんと明るく言えたかな。
「……なんだ、そんなこと、」
悠太郎くんがほっとした表情を見せる。
(そんなことじゃない)
(……私にとっては、全然そんなことじゃない)
唇をきゅっと噛み締める。
思い直したように悠太郎くんが話し出す。
「ごめん、そんなことじゃないよね。でも良かった、俺、紬ちゃんに嫌われたかと思って」
「……嫌うわけないじゃん」
(むしろ、好きで。)
「俺、紬ちゃんの気持ち、考えられてなかったよね、ごめん」
悠太郎くんが謝ってくる。
「違うの、大丈夫なの、ごめん、私が悪くて」
「紬ちゃんと話すの楽しくて、ごめん、もう話し掛けない方がいい?」
寂しそうな顔をする悠太郎くんに向かって
もう大学では話しかけないで、なんて言えない。
「……ううん。ごめん、話し掛けて……いいよ」
「良かったあ」
悠太郎くんが、安心した子供のように笑う。
笑顔につられて、張り詰めていた気持ちが少しほどける。
この優しい顔が好き。
……でも、優しいから言えない。
この笑顔が見られるなら、他の女の子に何を言われてもいい。
……なんて言えるほど、まだ強くはなれなかった。



