好きになった人は、みんなのアイドルで

ーー悠太郎サイド

昨日、2人と話してからずっと紬ちゃんのことを考えていた。
……今日も会えるかな。

大学の廊下ですれ違う。
「紬ちゃん、おつかれ!」
「あ……悠太郎くん、おつかれさま」
あれ、なんか元気無い?
紬ちゃんの視線が泳ぐ。え、なんか悪いことしたかな。

「あ……じゃね、急いでるから」
「うん、またね」

……急いでたのか。声掛けて悪かったな。
……急いでたんだよね?
俺、避けられてるわけじゃないよね?
だって夏休みあんなに喋ったじゃん。昨日も普通だったし。

昼に学食でまた紬ちゃんに会う。
(え、一日に2回も会えるとか今日ツイてる)
「紬ちゃん、今日何食べるの?」
「え、あ、どうしようかな……」

少し間があって
「あ、ごめん、次の授業早く行かなきゃいけないの忘れてた!またね!」
紬ちゃんがパタパタと学食を出て行く。

……やっぱり、避けられてる?
え?俺なんかした?何がダメだった?

え、なんだろ。
昨日からかったのがダメだった?
パン以外も食べるに決まってるだろって怒った?

あとは、なに。
……インスタ教えたの重かった?
それとも中身?なんか有名人ぶっててこいつイタいな、とか?

どうしよう。
何が悪いか分からないから、謝りようが無い。

「ごめん、俺なにかした?」
LINEを送ろうか迷って結局送らずに閉じる。
……紬ちゃんの笑顔が、また見たかった。
……紬ちゃんが、遠い。