ーー悠太郎サイド
あ、紬ちゃんシフト終わりだ。一緒に帰ろ。
帰り支度をしていると、紬ちゃんがホールに出てくる。
偶然を装わないと声を掛けられない自分が嫌になる。
「あ、一緒に帰ろ」
「うん」
用も無く紬ちゃんのLINEのプロフィールを眺めていたから、
アイコンの写真が目に焼き付いている。
「そーいえばさ、紬ちゃんのLINEのアイコンってパンじゃん。あれも自分で焼いたやつ?」
「そう、上手にできたときのやつ。いいでしょ」
「うん、めっちゃいい」
(自分が焼いたパン、アイコンにしてるの可愛い)
「悠太郎くんのアイコンの写真はさ……その、彼女とかが、撮ったやつ?」
……え?今なんて言った?彼女?いないいない。
……てか、そんなこと気にしてたんだ。
「違う違う、姉ちゃんが撮ってくれたやつ。番組出る時、写真送らなきゃいけなくて、何枚か撮ったやつの1枚。……あと、彼女はいない。」
彼女の有無は聞かれてないかもしれないけど、
彼女がいないってちゃんと伝えておきたかった。
……いや、なんで?
なんで俺、わざわざ言った?
「あ、そうだったんだ……。てか、お姉さんいるんだね」
ほっとした表情の紬ちゃん。
(……え、そんな顔するって、いやいや、何考えてるんだ俺)
(期待しちゃだめだ、ていうか、何期待してんだ俺)
「姉ちゃんね、3つ上で、地元で美容師してんの」
姉ちゃんの話に逸らす。
「そうなんだ、美容師さん。てか、悠太郎くん、地元どこ?」
「俺、兵庫。神戸の方。」
「え、神戸って関西弁のイメージあった!標準語だから東京の人かと思ってた」
(そうなんだ、俺のこと東京の人だと思ってたんだ)
(紬ちゃんと話してる時、意外と方言出てないもんなのかな)
「んー、友達と話してるとたまに出るよ。地元帰った時とか。でも若い人はそんなでもないよ」
「そうなんだ、神戸行ったこと無いんだよね、知らなかった」
「紬ちゃんは?どこ、地元」
「私ね、岩手。盛岡。」
確かに、たまに方言っぽいときある。
「そうなんだ!確かに、紬ちゃん時々方言っぽいときある」
「え、うそ。」紬ちゃんが赤くなる。
たまにイントネーション違う時、めっちゃ可愛いなって思ってたのに。
もちろん、言えないけど。
駅に着く。
「またね、紬ちゃん」
「うん、またね、悠太郎くん」
紬ちゃんのこと、またひとつ知れたな。
それにしても、アイコン彼女が撮った写真だと思ってたのか。
……かわいいな。
紬ちゃんのことを可愛いと思う回数が増えていることに
まだ、自分では気付いていなかった。
あ、紬ちゃんシフト終わりだ。一緒に帰ろ。
帰り支度をしていると、紬ちゃんがホールに出てくる。
偶然を装わないと声を掛けられない自分が嫌になる。
「あ、一緒に帰ろ」
「うん」
用も無く紬ちゃんのLINEのプロフィールを眺めていたから、
アイコンの写真が目に焼き付いている。
「そーいえばさ、紬ちゃんのLINEのアイコンってパンじゃん。あれも自分で焼いたやつ?」
「そう、上手にできたときのやつ。いいでしょ」
「うん、めっちゃいい」
(自分が焼いたパン、アイコンにしてるの可愛い)
「悠太郎くんのアイコンの写真はさ……その、彼女とかが、撮ったやつ?」
……え?今なんて言った?彼女?いないいない。
……てか、そんなこと気にしてたんだ。
「違う違う、姉ちゃんが撮ってくれたやつ。番組出る時、写真送らなきゃいけなくて、何枚か撮ったやつの1枚。……あと、彼女はいない。」
彼女の有無は聞かれてないかもしれないけど、
彼女がいないってちゃんと伝えておきたかった。
……いや、なんで?
なんで俺、わざわざ言った?
「あ、そうだったんだ……。てか、お姉さんいるんだね」
ほっとした表情の紬ちゃん。
(……え、そんな顔するって、いやいや、何考えてるんだ俺)
(期待しちゃだめだ、ていうか、何期待してんだ俺)
「姉ちゃんね、3つ上で、地元で美容師してんの」
姉ちゃんの話に逸らす。
「そうなんだ、美容師さん。てか、悠太郎くん、地元どこ?」
「俺、兵庫。神戸の方。」
「え、神戸って関西弁のイメージあった!標準語だから東京の人かと思ってた」
(そうなんだ、俺のこと東京の人だと思ってたんだ)
(紬ちゃんと話してる時、意外と方言出てないもんなのかな)
「んー、友達と話してるとたまに出るよ。地元帰った時とか。でも若い人はそんなでもないよ」
「そうなんだ、神戸行ったこと無いんだよね、知らなかった」
「紬ちゃんは?どこ、地元」
「私ね、岩手。盛岡。」
確かに、たまに方言っぽいときある。
「そうなんだ!確かに、紬ちゃん時々方言っぽいときある」
「え、うそ。」紬ちゃんが赤くなる。
たまにイントネーション違う時、めっちゃ可愛いなって思ってたのに。
もちろん、言えないけど。
駅に着く。
「またね、紬ちゃん」
「うん、またね、悠太郎くん」
紬ちゃんのこと、またひとつ知れたな。
それにしても、アイコン彼女が撮った写真だと思ってたのか。
……かわいいな。
紬ちゃんのことを可愛いと思う回数が増えていることに
まだ、自分では気付いていなかった。



