この日も帰り支度を済ませてホールに出ると、
同じように帰り支度をしている悠太郎くんがいた。
「あ、一緒に帰ろ」
「うん」
好きなように好きでいることにしたら、なんだかもっと好きになった。
「そーいえばさ、紬ちゃんのLINEのアイコンってパンじゃん。あれも自分で焼いたやつ?」
「そう、上手にできたときのやつ。いいでしょ」
「うん、めっちゃいい」
(……今がチャンスかもしれない)
「悠太郎くんのアイコンの写真はさ……その、彼女とかが、撮ったやつ?」
一瞬悠太郎くんが固まる。
ちょっと笑って悠太郎くんが答える。
「違う違う、姉ちゃんが撮ってくれたやつ。番組出る時、写真送らなきゃいけなくて、何枚か撮ったやつの1枚。……あと、彼女はいない。」
「あ、そうだったんだ……。てか、お姉さんいるんだね」
私、多分あからさまにほっとした表情をしたと思う。
……彼女、いないんだ。良かった。え!良かったぁ!
「姉ちゃんね、3つ上で、地元で美容師してんの」
「そうなんだ、美容師さん。てか、悠太郎くん、地元どこ?」
「俺、兵庫。神戸の方。」
「え、神戸って関西弁のイメージあった!標準語だから東京の人かと思ってた」
「んー、友達と話してるとたまに出るよ。地元帰った時とか。でも若い人はそんなでもないよ」
「そうなんだ、神戸行ったこと無いんだよね、知らなかった」
またひとつ、悠太郎くんのことを知れた。
「紬ちゃんは?どこ、地元」
「私ね、岩手。盛岡。」
「そうなんだ!確かに、紬ちゃん時々方言っぽいときある」
「え、うそ。」
東京来て、案外訛ってないじゃんって思ってたのに。恥ずかしい。
駅に着いて、それぞれのホームに向かう。
「またね、紬ちゃん」
「うん、またね、悠太郎くん」
彼女がいないことが分かってすっかり安心したせいで、
今は、自分が訛っていることの方が気になって仕方なかった。
同じように帰り支度をしている悠太郎くんがいた。
「あ、一緒に帰ろ」
「うん」
好きなように好きでいることにしたら、なんだかもっと好きになった。
「そーいえばさ、紬ちゃんのLINEのアイコンってパンじゃん。あれも自分で焼いたやつ?」
「そう、上手にできたときのやつ。いいでしょ」
「うん、めっちゃいい」
(……今がチャンスかもしれない)
「悠太郎くんのアイコンの写真はさ……その、彼女とかが、撮ったやつ?」
一瞬悠太郎くんが固まる。
ちょっと笑って悠太郎くんが答える。
「違う違う、姉ちゃんが撮ってくれたやつ。番組出る時、写真送らなきゃいけなくて、何枚か撮ったやつの1枚。……あと、彼女はいない。」
「あ、そうだったんだ……。てか、お姉さんいるんだね」
私、多分あからさまにほっとした表情をしたと思う。
……彼女、いないんだ。良かった。え!良かったぁ!
「姉ちゃんね、3つ上で、地元で美容師してんの」
「そうなんだ、美容師さん。てか、悠太郎くん、地元どこ?」
「俺、兵庫。神戸の方。」
「え、神戸って関西弁のイメージあった!標準語だから東京の人かと思ってた」
「んー、友達と話してるとたまに出るよ。地元帰った時とか。でも若い人はそんなでもないよ」
「そうなんだ、神戸行ったこと無いんだよね、知らなかった」
またひとつ、悠太郎くんのことを知れた。
「紬ちゃんは?どこ、地元」
「私ね、岩手。盛岡。」
「そうなんだ!確かに、紬ちゃん時々方言っぽいときある」
「え、うそ。」
東京来て、案外訛ってないじゃんって思ってたのに。恥ずかしい。
駅に着いて、それぞれのホームに向かう。
「またね、紬ちゃん」
「うん、またね、悠太郎くん」
彼女がいないことが分かってすっかり安心したせいで、
今は、自分が訛っていることの方が気になって仕方なかった。



