パンフレットを見ながら一周する。
イベント会場自体はこじんまりとしていて、既に売り切れたところもあるようだ。
「あ……ここのパン買いたかったけど売り切れだ……クロワッサン美味しいらしくて、気になってたんだよね」
「そっか、残念だね。あ、こっちも気になるって言ってたとこでしょ?」
「うん、あとあそこも。あ、あれが悠太郎くん気になってるカヌレのお店じゃない?」
「ほんとだ」
こないだのジェラートの時とはまた違う。
……楽しい。
列に並ぶと店員さんに試食のパンを渡される。
「限定のデニッシュです。彼氏さんもどうぞ」
(彼氏さん)
一瞬何を言われたか分からなかった。
……彼氏さん?
理解した途端、顔が熱くなる。
ち、違うんです。
否定しようと思ったけれど、店員さんはもう次のお客さんに話しかけている。
「……カップルに見えるよね、ごめん」
悠太郎くんが謝ってくる。え、なんで?
「なんで謝るの?……う、うれしいけど」
動揺して何言ってんの私。
「……そっか」
目を逸らす悠太郎くんの耳が、また少し赤い。
一通りお店を回って一息つく。
「ちょっと疲れたね、座る?」
イートインスペースを指さす悠太郎くん。
「うん、座る」
「飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「あ、アイスカフェラテ」
悠太郎くんの真似をして、アイスカフェラテを頼むことが増えていた。
今日も、つい言ってしまう。
「おっけー、買ってくるからつむぎちゃん座ってて」
「ありがと」
なにこれ。ほんとに付き合ってるみたい。
(……彼氏さん)さっき店員さんに言われた言葉がくすぐったい。
(……あーあ、ほんとに彼氏だったらいいのに)
一瞬浮かんだ考えを打ち消す。
(推し、推しなんだから)
「お待たせ」
アイスカフェラテを2個持った悠太郎くんが向かいに座る。
「ね、ちょっと食べてもいい?焼きたて食べたい」
緊張する気持ちをかき消すように言うと、
「俺の買ったカヌレも食べよ」と出してくれる。
あんなに楽しみにしてたパンフェスだったのに、
パンよりも、悠太郎くんの方が気になってた。
イベント会場自体はこじんまりとしていて、既に売り切れたところもあるようだ。
「あ……ここのパン買いたかったけど売り切れだ……クロワッサン美味しいらしくて、気になってたんだよね」
「そっか、残念だね。あ、こっちも気になるって言ってたとこでしょ?」
「うん、あとあそこも。あ、あれが悠太郎くん気になってるカヌレのお店じゃない?」
「ほんとだ」
こないだのジェラートの時とはまた違う。
……楽しい。
列に並ぶと店員さんに試食のパンを渡される。
「限定のデニッシュです。彼氏さんもどうぞ」
(彼氏さん)
一瞬何を言われたか分からなかった。
……彼氏さん?
理解した途端、顔が熱くなる。
ち、違うんです。
否定しようと思ったけれど、店員さんはもう次のお客さんに話しかけている。
「……カップルに見えるよね、ごめん」
悠太郎くんが謝ってくる。え、なんで?
「なんで謝るの?……う、うれしいけど」
動揺して何言ってんの私。
「……そっか」
目を逸らす悠太郎くんの耳が、また少し赤い。
一通りお店を回って一息つく。
「ちょっと疲れたね、座る?」
イートインスペースを指さす悠太郎くん。
「うん、座る」
「飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「あ、アイスカフェラテ」
悠太郎くんの真似をして、アイスカフェラテを頼むことが増えていた。
今日も、つい言ってしまう。
「おっけー、買ってくるからつむぎちゃん座ってて」
「ありがと」
なにこれ。ほんとに付き合ってるみたい。
(……彼氏さん)さっき店員さんに言われた言葉がくすぐったい。
(……あーあ、ほんとに彼氏だったらいいのに)
一瞬浮かんだ考えを打ち消す。
(推し、推しなんだから)
「お待たせ」
アイスカフェラテを2個持った悠太郎くんが向かいに座る。
「ね、ちょっと食べてもいい?焼きたて食べたい」
緊張する気持ちをかき消すように言うと、
「俺の買ったカヌレも食べよ」と出してくれる。
あんなに楽しみにしてたパンフェスだったのに、
パンよりも、悠太郎くんの方が気になってた。



