所属しているサークルの集まりに顔を出す。
「おつかれさまでーす!」
ベーカリー研究会。通称、パン研。
自分のつくったパンを持ってきて感想を聞いたり、
新しくできたパン屋に行ってみたり、
パンに関係があればなんでもありっていうゆるいサークル。
「今日、塩パン作ってきたんですけど食べてみてくれません?」
「やったー!」
「紬ちゃんのパンめっちゃ美味しいから楽しみにしてた!」
他の人が焼いてきたり買ってきたりしたパンと一緒に机に並べる。
パンを食べながら、
最初は駅前にできたパン屋の話をしたり、
今日のパンの講評をしたりしていたけれど、
結局ただの雑談になる。
「ねえ、なんか経済に有名な子入ってきたんでしょ?オーディション番組出てたとかって」
「そうなんです!見ました?かっこいいですよ」
(あ、ゆうたろうくんの話だ)
「私 同じ学科なんですけど、まじで王子様ですよ。名前とかすぐ覚えて呼んでくれるし、優しくて物腰柔らかくて、いつもニコニコしてて、ほんとどこの国の王子様って」
(え、名前呼び……)
一瞬、皆の会話が遠くなる。
「皆 悠太郎くんのこと大好きだよね、皆の悠太郎くんって感じ」
「えー、狙ったりしないの?」
「全然そういう感じじゃないです、ほんと。皆ファンって感じ」
「本人も多分彼女とか作る気無いんじゃないですかねー」
「そういう感じなんだー」
「だから安心して推せるっていうかー」
「そう、既にアイドルだよね」
(そっか、なんだ、彼女とか作る気無いんだ)
皆のゆうたろうくん、か……
なーんだ、と思ってから
何がなーんだ、だよ、と自分にツッコミを入れる。
別に好きとかじゃないし……栞に言った言葉を思い出す。
うん、好きとかじゃないし。
ちょっとかっこいいなって思っただけだし。
それなのに、
つむぎちゃん、おつかれ
って声をかけてくれた時のゆうたろうくんが
思い浮かんで、なかなか消えてくれなかった。
「おつかれさまでーす!」
ベーカリー研究会。通称、パン研。
自分のつくったパンを持ってきて感想を聞いたり、
新しくできたパン屋に行ってみたり、
パンに関係があればなんでもありっていうゆるいサークル。
「今日、塩パン作ってきたんですけど食べてみてくれません?」
「やったー!」
「紬ちゃんのパンめっちゃ美味しいから楽しみにしてた!」
他の人が焼いてきたり買ってきたりしたパンと一緒に机に並べる。
パンを食べながら、
最初は駅前にできたパン屋の話をしたり、
今日のパンの講評をしたりしていたけれど、
結局ただの雑談になる。
「ねえ、なんか経済に有名な子入ってきたんでしょ?オーディション番組出てたとかって」
「そうなんです!見ました?かっこいいですよ」
(あ、ゆうたろうくんの話だ)
「私 同じ学科なんですけど、まじで王子様ですよ。名前とかすぐ覚えて呼んでくれるし、優しくて物腰柔らかくて、いつもニコニコしてて、ほんとどこの国の王子様って」
(え、名前呼び……)
一瞬、皆の会話が遠くなる。
「皆 悠太郎くんのこと大好きだよね、皆の悠太郎くんって感じ」
「えー、狙ったりしないの?」
「全然そういう感じじゃないです、ほんと。皆ファンって感じ」
「本人も多分彼女とか作る気無いんじゃないですかねー」
「そういう感じなんだー」
「だから安心して推せるっていうかー」
「そう、既にアイドルだよね」
(そっか、なんだ、彼女とか作る気無いんだ)
皆のゆうたろうくん、か……
なーんだ、と思ってから
何がなーんだ、だよ、と自分にツッコミを入れる。
別に好きとかじゃないし……栞に言った言葉を思い出す。
うん、好きとかじゃないし。
ちょっとかっこいいなって思っただけだし。
それなのに、
つむぎちゃん、おつかれ
って声をかけてくれた時のゆうたろうくんが
思い浮かんで、なかなか消えてくれなかった。
