君だけのジミニー・クリケット

 吹き込む風に煽られ、パタパタと音を立てて暴れるメモ紙。

 それを飛ばされまいと押さえる指先には、白く跡が残るほどに力がこもっている。

 その強がりと、その脆さ。

 いつの間にか、彼女の存在は僕自身の心の一部のように溶け合っていた。

 僕は、彼女にとっての『ジミニー・クリケット』になれるだろうか。

 彼女の嘘を許し、彼女の良心となり、その物語が終わりを迎えるまで、一番近くで見守る者に。