バスが大きく揺れるたび、吊り革の持ち手が窓枠に当たり、『コツン、コツン』と、規則的で空虚な音を立てる。
向かうは最果ての町。 彼女は大切そうに折り畳まれたメモを広げ、停留所の名前と行き先を何度も見比べ、確認を繰り返していた。
ふいに顔を上げ、窓の外の入道雲を指さして、幼子のようにはしゃぐ彼女。
その無防備な横顔を見て、僕はふと思い当たる。
(そうか。彼女も、もうすぐ二十歳になるんだ)
大人になった自分の姿を、母親に見てもらいたいのだと。
そう思うと、彼女の強がりがたまらなく愛おしく、同時に、握りしめられたメモのシワが、彼女の隠しきれない怯えを代弁しているようで胸が痛んだ。
向かうは最果ての町。 彼女は大切そうに折り畳まれたメモを広げ、停留所の名前と行き先を何度も見比べ、確認を繰り返していた。
ふいに顔を上げ、窓の外の入道雲を指さして、幼子のようにはしゃぐ彼女。
その無防備な横顔を見て、僕はふと思い当たる。
(そうか。彼女も、もうすぐ二十歳になるんだ)
大人になった自分の姿を、母親に見てもらいたいのだと。
そう思うと、彼女の強がりがたまらなく愛おしく、同時に、握りしめられたメモのシワが、彼女の隠しきれない怯えを代弁しているようで胸が痛んだ。



