片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「殿下はこうなることを見越して?」
「たぶんそうじゃないですかね。俺の煮え切らない態度にも、あなたが不幸の道に進むことにも怒っていましたから」

 ある意味殿下には大きな借りが出来た感じなのだろう。

 だけど、だけど。

「今すぐ文句を言いたい気分です」
「いいんじゃないですか? 明日、一緒に乗り込みましょう」

 ルドウィックはそう言って笑ってくれた。

 まだまだ殿下の輿入れまでには時間がたっぷりある。
 たくさん話そう。
 そしてそれ以上に、文句を言ってやろう。

 だって親友なのだから。

 ルドウィックの瞳には、私が映っている。
 その顔は自分でも驚くほど、幸せそうに笑っていた。