片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「それは輿入れしても大丈夫なのですか?」
「あー、ある意味大丈夫だと思いますよ。あの国では、もう自分を作らなくてもいいから。お相手の前では、本当の自分を出せるのだと喜んでいましたから」

 知らなかった。
 親友だと言われ、ずっと長い間傍にいさせてもらったのに。

 私は何一つ、殿下のことを知らなかったのね。

「知らなかったことが残念ですか?」

 見透かされたように、ルドウィックが尋ねてくる。

 そうね。
 残念で少し寂しい。
 きっとそんな気持ちだ。

「そうですね。文句を言いたい気分です」
「いいと思いますよ。輿入れまでまだまだ時間はあります。目いっぱい言ったらいいんですよ」
「不敬罪になりませんか?」
「王女殿下はその塊のような方なので、大丈夫です」

 そう微笑むルドウィックにつられ、私も微笑む。

 自然と感情が出て来る。
 少し変な気分だが、もう胸の奥の苦しさはない。